極めて簡素な米国でのジョイント・シンポジウムは、内容も保守的でした。
千葉市のインプラント認定医のアメリカ歯科学会報告
米国歯周病学会、歯内療法学会、補綴学会合同のジョイント・シンポジウムに参加のため、シカゴに行ってきました。
歯内療法とは歯の根の治療、補綴とは、歯が欠けたり、むし歯になったり、抜けたのを治すことです。
この3つの歯科学会のジョイント・シンポジウムですから、GP つまり、一般臨床医にとって とても興味深いものです。
これを聴くために、はるばるシカゴまで出かけました。
まず、びっくりしたのは、決して安くない参加費にもかかわらず、会がとても簡素なことです。
まず、シンポジウムの冊子(brochure)がない!紙1枚の裏オモテ印刷されているタイムスケジュールがあるのみ。
発表者の紹介文もない! まあ、今の時代、Google で調べることはできますが。
日米欧の学会では、普通にある でっかい目立つ案内がない!
会場のホテルのモニターに○○のジョイント・シンポジウムが何時から何時まで、○○の会場で としかない!
業者展示がない! 今は、通販で海外の歯科材料を買える時代になったとはいえ、やはり実際に手にとって確かめたいが、そもそも誰も出展してないし、業者の案内もない。
さらに、通常数百人規模の歯科の集まりだと、ノート、筆記用具、トートバッグが付くのだが、それもなく、テーブルには、ホテルのメモ用紙と鉛筆のみ!
ないない尽くしの学会でしたが、内容は極めて保守的でした。
ひと昔は、インプラント関連の こんなにうまく行きました!といった(ただし、それが何年持ったかは不明)派手な発表を散見しましたが、そういったものはなく、歯をいかに保存するべきか、安易にインプラントに置き換えるのでなく、長持ちしないかもしれないが、まずは、何とか頑張って保存しましょう、というスタンスで取り組んだら、意外に長持ちした、という歯科医師としての良心が感じられる学会でした。
残念なことに、1か月の何本インプラントを入れた!ということを、重視している医院があるのは事実ですが、アメリカでさえ こうなのですから、正しい目標設定をしてゆく必要があると感じました。
来て良かったです。
院長不在時に活躍してくれたピュアスマイル原田歯科クリニックのスタッフには、感謝です。
www.harada-clinic.com