アロダームを使って歯肉の厚みを増して、歯肉がこれ以上 下がりにくくする方法。 AACD 米国審美歯科学会に参加してきた千葉のアンチエイジング認定医

今回の米国出張では、移動の機内、空港、ホテルなどで、本を6冊読み、研修用のDVDを6本 見て、さらにブログ、SNS に30本以上投稿、情報発信しました。

米国審美歯科学会では、複数の専門医による学際的なアプローチ( interdisciplinary 
approach )も もちろん良かったのですが、GP つまり、一般歯科医がかなり質の高い発表をしていたのが印象的でした。

さて、今回はアロダームという人工粘膜を使った歯肉の退縮に対応する方法を紹介します。

歯肉が下がる(上の歯だと 上がる)と、見た目が 歯が長くなるだけでなく、歯が冷たいものや熱いものでしみたり、歯が磨きにくいため、むし歯になったりします。
これに対して、プラスチック製の詰め物をするのは、姑息的な方法で、さらに歯肉の位置が悪化し、ますます歯が長くなってしまいます。
従来、このような状況が進行するのを防ぐために、上顎の内側(口蓋側)から粘膜を移植する方法が取られて来ました。これはとても有効な方法なのですが、2か所にメスを入れる必要があるのと、一度に移植できる量に限りがあるため、適応になる方が限定されたり、患者さんが嫌がるケースがよくあり、やむなく従来の状態を放置、→ 悪化 という道をたどることになりました。

他の方法として、人工粘膜(人工コラーゲン;アロダーム)を移植する方法があります。
自分の上顎の粘膜(口蓋粘膜)を切り取って来なくてよい分だけ、外科的な侵襲が少なくてすみますが、仕上がりはやはり、自分の粘膜を移植するほうがうまくいきます。
アロダームは、1994年から使われている材料です。

両方の術式に共通していることですが、喫煙される方は成功率が落ちるので適応外です。
どちらも外科処置ですから、術後に痛んだり腫れたり、顔の皮膚が内出血して一時的に青あざのようになったり場合によっては暗い色になることは体の反応として起こり得ます。痛みと腫れに関しては、術前に抗生物質、鎮痛剤を服用して頂くことによってかなり防げます。
それから、どんな処置でも100% 成功はありません。

どちらの場合も、術後4週間で抜糸します。ラミネートベニアや冠による補綴は、術後3か月たって粘膜の状態が安定してから行います。

治療費(2014年5月1日現在):うがい薬、内服薬、レントゲン写真撮影、消毒、抜糸、補綴などは、別途費用が発生します。
CTG,FGG (自分の上顎<口蓋>粘膜移植) 73,500円

アロダーム 上記の自分の上顎<口蓋>粘膜移植 73,500円 プラス 材料代 42,000円 →
合計 115,500円 
キャンペーン価格(口腔内写真・顔写真の提供とアンケート協力をしていただける場合)
90,000円 プラス 消費税 7,200 円 合計 97,200 円

www.harada-clinic.com

以下、症例写真を提示します。

術前に仮のプラスチック製ラミネートベニア(PLV)を入れ、術後にポーセレンラミネートベニアを入れてあります。

アロダームAlloderm2014AACD (1)s.jpg

アロダームAlloderm2014AACD (4)s.jpg

アロダームAlloderm2014AACD (3)s.jpg





Twitterボタン