歯並びで様子を見るように言われ、おかしいと思ったらそのままにしないで!

 先日、10年ぶりに来院した方は13歳の女子中学生、
自宅がピュアスマイル原田歯科クリニックから遠いので、
むし歯の治療は近くの医院でずっと受けており、
歯並びの相談にいらしたのでした。

診療室に入って、その方の顔を見るなり びっくり!

下顎が上顎よりも10センチ近く前に出ている骨格性の反対咬合で、
これは身長の伸びがほぼ止まる、20歳まで待って外科的に下顎を
後ろに下げる処置を併用して、数年かけて矯正しないといけません。

つまり、この子は少なくとも10年以上、受け口で過ごさないといけません。

保護者の方が言うには、かかりつけの歯科医院で歯並びの相談を何度かしたそうなのですが、
そのたびに「様子を見るように」言われたそうです。

こうした骨格性の反対咬合は、遺伝性のことが多いのですが、
父親も母親も受け口ではなく、環境性の因子で受け口になってしまったと
考えられます。

逆に言うと、遺伝性でないのですから 早めに予防的に矯正をしていれば、
入院して外科処置などせずに、中学生のうちに治療がひと区切りつけられたはずです。

実はこうした事例、つまり、歯並び相談に行って「様子を見るように」言われ、
結果的に治療期間が長引いてしまう事例は、これまでにも多く経験しています。

決して他の医院の批判をするつもりでこの文章を書いているわけではないのですが、
歯並びが変だなと思った時に、多くの方はいきなり矯正歯科に行くわけではなく、
かかりつけの近所の歯科医院に行きます。

残念ながら、一般の歯科医師で歯列咬合育成・歯ならびについて継続的に勉強している
歯科医師は必ずしも多くなく、その方の知識レベルで対応されてしまうのですから
患者さんは たまったものではありません。

実は咬合異常は(特に8歳以前なら)比較的簡単な装置で予防できることが多いです。

それを永久歯がはえそろう中学生まで待ちましょうとか、
全部大人の歯がはえたら抜歯して治しましょうなどと、ロクに検査もせず(当然診断もできていない)
言い放つ方がいるのはとても残念です。

骨格的な要素がある場合は、早ければ3歳から予防的に矯正装置を入れることもありますし、
むしろこれくらい小さい年齢なら親の言うこともよく聞きますが、
中学生くらいになると保護者の指示も守らず、治療が長期化することも
多く見ております。

ご本人、そして保護者の方は、必ずしも専門医でなくてもよいので、
少なくとも矯正歯科を標ぼうしている歯科医院を受診して、
様子を見るように言われ、おかしいと思ったらそのままにしないで
複数の歯科医師を受診することをぜひお勧めします。

これは、決してドクターショッピングでなく、
セカンドオピニオンを求めることなのですから、
大切なご自分、そしてお子様のキレイな歯並びの為に早めに行動を起こしましょう。

www.puresmile.org

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