フィンランド予防歯科研修で久々にマキネン名誉教授の講義を聞いた。
1970年代から始まったキシリトールによるむし歯予防効果判定のための研究。
当時は大学の倉庫に甘味料をキシリトールのみで作った食品を用意し、
大学周辺の商店・企業らの協力でキシリトール入りのパン、お菓子、飲料などを作ってもらい、
被験者に倉庫から無料で飲食物をとって食べてもらうことを
2年続け、実験後その倉庫は撤去されたそうだ。
2年間 甘味料はキシリトールしか使ってない食品を食べ続けるということは
実験をした大学関係者、被験者、関連企業らのものすごい協力があって
初めて実現したものだろう。
フィンランドに留学した経験を持つ ある日本人によると、
フィンランド人は勤勉であるという。
大国ソビエトから侵略を受け、やむなくいわゆるフィンランド化という言葉に
象徴される融和政策を取らざるを得なかったフィンランドでは、
1980年代までロシアやソビエトを批判することはタブーだったという。
こうした気骨あるフィンランド人が真に国民の健康のために
一体となって取り組んでいる様子に胸が熱くなった。