2020年4月27日の報道で歯科医師がPCR検査を実施できるというものがありました。
しかし、一般の歯科医院ではPCR 検査は行いません。4月27日の報道は、医師や看護師、臨床検査技師でなくても歯科医師ならば新型コロナ肺炎のPCR検査を実施できるというものでした。
これは、今後新型肺炎の患者や感染者数が急に増えた場合、医師だけでは人手が足りないので歯科医師でも検査できるようにするためです。
検査をするとしたら、大学病院などのある程度大きな規模の病院で行うと思います。
現在、PCR検査をしてほしくてもなかなかしてもらうことができないようです。中には心配なので早く検査してほしいと思っている方もいることでしょう。
しかし、歯科医院というのは歯科治療を行う場所です。日本歯科医師会から各歯科医院に通達が来ておりますが、一般の歯科医院にPCR検査キットを配布する予定はありません。
一般の方がいきなり歯科医院に検査目的で行くことはやめて下さい。検査を希望される方は保健所などに問い合わせて下さい。
- ●歯科医院でPCR検査するのはなぜ危険なのか? そして非現実的か?
・検査後は建物の中を消毒しなければなりません。同じ建物で歯科治療をするわけにはいきません。
・多くの歯科医院は総合病院と比べて建物の面積は小さく、入口はひとつしかありません。検査後14日間も歯科治療できないことになります。
・今回 検査できるのは、歯科医師とされています。歯科衛生士ではありません。検査を担当した歯科医師は、14日間も自宅待機しなければなりません。もし医院外の駐車場のテント(野戦病院的なもの)で行うとか、どこか外部の施設で行うとしても、多くの歯科医院で歯科医師1名が診療できないとなると、歯科医院にはそんなに歯科医師は在籍していないので診療業務が滞ってしまい、現実的ではありません。
・こうして一般的な歯科治療が中断することのほうが、患者さんにとって遥かに不利益が大きいです。例えば歯周病の治療は緊急性はないかもしれませんが、2週間も放置すれば病状は悪化し、糖尿病、心臓病など他の臓器の病状を悪化させることは20年以上前から知られています。
・大学病院ならば、研修医など実際に担当患者さんがいない歯科医師がいますし、また歯科医師免許を持っているが実働してない者もいるので、こうした歯科医師たちに検査をしてもらうほうが良いと思いませんか?
・PCR検査をきちんとするなら検査1回ごとにガウンをすべて交換しないといけません。従って非常に時間がかかります。これはあくまでも想像ですが、本当に毎回ガウンや高価なN95のマスクを交換しているのか?
実際は手袋だけ交換しているケースもあるのではないですか?
・コロナ騒ぎのような感染症は、SARSや新型インフルエンザなど過去に何度か起こっています。その度に医院内の消毒・滅菌システムを見直すことはもちろん大事です。
しかし、こうして騒ぎが起きるたびに、それなら口腔外吸引器は値段が高いから家庭用の掃除機の吸込口に紙コップをつけて代用しようとかしている歯科医院があるのは、とても残念です。
こんな家庭用掃除機で口の周囲に飛んだものを全部吸うことは不可能です。
・原田歯科クリニックでは、1990年代からすでに口腔外吸引器は装備しております。
・また、手術室やクリーンルームレベルに医院内の空気を浄化するための超パワフルな空気清浄機を8台設置してあります。
・エアロゾルについて誤解している方がいます。歯科治療で歯や詰め物を削る時に使うハンドピースの中で、キーンと音のするタービンについて説明します。タービンにはわかりやすく言うと、高品質なものと低品質なものがあります。高品質なものは歯を削るバーを高回転で回した後、一定時間タービンの中のものを外に排気します。これは歯を削ったときの患者さんの口の中のものをタービンの中に吸い込まないようにするためです。
排気したものは、口腔外吸引器ですべて吸い取りますので、部屋の中に排気が行くことはありません。
しかし、低品質なタービンだと、歯を削ったときの削りクズを排気せず、タービンの中に吸い込んだままになってしまいます。
もちろん、原田歯科クリニックではすべてのタービンが高品質なものです。
・そしてこうしたタービンやモーターはもちろん、患者さんごとに交換し、高熱シリコンオイルを利用して安全レベルまで消毒しております。これで菌やウィルスはなくなります。
・部屋の換気はマメに行っています。
・人が触れるところは、定期的に消毒しています。
・待合室が複数あるので、分散して座っていただいております。個室診療室でお待ちいただくこともあります。
・待合室の椅子の配置も改善しました。
・待合室での滞在時間を短くするため、診療室で次回の予約を入れています。
・37度未満でも普段より熱が高かったり、少しでも体調がすぐれない場合は、医院内への入場をお断りして、電話で次回の予約変更しています。
・スタッフについても、普段より熱が高かったり、少しでも体調がすぐれない場合は、自宅待機させています。
・スタッフの昼食しながらの会話を禁止しています。食事後にマスクしての会話は許可しています。
・スタッフは業務後に早く帰り、睡眠を十分に取るように指導しています。
・スタッフの副業は禁止しています。
・スタッフの飲酒を伴う食事会への参加は禁止しています。新人歓迎会もしていません。
・親類以外の結婚披露宴などのパーティーへの参加を禁止しています。
・もちろん、ナイトクラブなど3密の場所への出入りを禁止しています。
・原田歯科のスタッフが実際に複数名 医院内で患者となって診療を受けています。安心だからです。患者の視点から改善点があったらすぐにスタッフに伝えて改善しています。
・3月までは毎日100名の方が来院していました。
4月からは60~70名に減らせていただいております。
逆にスタッフ数は5名増えております。消毒・滅菌・清掃には器具だけでなく、マンパワーが必須だからです。
残業は極力減らして早く帰宅し、十分に睡眠をとり体調を整えることは以前から重視しております。受付のフルタイムの仕事で毎日7時前に帰れるなんて珍しいとよく言われます。
スタッフにはきちんと給料を支払っています。
モチベーション高く働いてくれるスタッフに感謝しているからです。
- ☆最初の頃は歯科医師会もコロナのようなことは初めてのことだったので、不要不急な治療は控えるようにという通達を出しました。
これは、実はアメリカの歯科医師会が出した声明をほぼ丸パクリでした。
私はアメリカや欧州の歯科医院を何度も見学したことがあります。
日本との決定的な違いがあります。
それは確かにトップレベルの歯科医師や歯科技術は欧米には素晴らしい方やすごい技術があります。しかし、平均レベルで見たら、日本は世界的に見てかなり上にいると思います。
それから日本には1990年代から口腔外吸引器が全国の歯科医院に広まっていました。しかし、未だに欧米の歯科医院には口腔外吸引器はほとんどありません。これは決定的な違いだと思います。
また、私たちは子供の頃から外から帰ったら手を洗うことを躾けられていますし、毎日お風呂に入る人も多いです。
しかし、信じられないかもしれませんが、彼らは必ずしも食事の前に手を洗いません。
話が飛びましたが、コロナのことが少しずつわかってきたせいか、今では歯科治療は必要ですし、痛くないから治療しなくて良いなんてことはおかしいという考えに変わってきています。
冷静に考えれば、むし歯を放置したら自然に治るわけがなく、少しずつ進行します。子供の歯の場合は1週間たっただけでもかなりむし歯が進行してしまいます。
むし歯が進行すれば歯の中の神経を除去しなければならないことがあり、そんなことになったら通院回数も増えますし、医療費も高くなります。
また、歯周病は痛くない間に進行します。
口腔ケアは歯の着色を除去するだけではありません。
歯磨きだけでは除去することができないむし歯菌、歯周病菌を除去します。予防は治療に優るとは英語でもことわざになっているほどです。
インプラントは緊急性がないから控えるべきだと言っている方がいました。では歯が抜けたまま放置してよいのでしょうか?ものを噛むことができなければ、生活の質が下がります。
口腔ケアや治療を怠ると外出自粛で唯一の楽しみである食事を楽しめないので、ストレスが溜まります。ストレスが溜まれば免疫力が低下し、病気にもかかりやすくなります。
口腔ケアや歯科治療を決して後回しにしないで下さい。
千葉市若葉区桜木2-16-24
原田歯科クリニック
原田幹夫
千葉市の原田歯科は桜木消防署の近くです。
https://harada-clinic.com/