職人気質の歯科技工士の匠の技
投稿日: 2017年12月19日
歯科技工士ってなに?
歯科技工士は的確で精密な歯科治療に必要な人工製作物を作る特別な技術と理論を身に付けた国家資格者(スペシャリスト)です。
白いセラミックの歯は歯科医師1人で作るものではありません。歯科技工士と共に作り上げていきます。
歯科医師の指示によって一人一人の口の特性に合わせた人工物(インレー(詰め物)、クラウン(金属冠等)、義歯(入れ歯)等)や矯正装置(歯並びや噛み合わせ等を治療する装置)を作製したり、破損した人工物を修理することにより、患者さまにとって最も大切で健康の源である「食べること」が、正しく行われるよう、真摯な姿勢で技工に取り組んでいます。
熟練した技術と知識が必要なので、一人前になるには大変な歯科技工士。その歯科技工士が、患者さまのお顔を想像してひとつ、ひとつ丁寧に心をこめて作成しております。
入れ歯はこうしてできる
原田歯科クリニックはインプラントで有名ですが、実は意外と知られていないことなのですが、結構入れ歯作りも得意としています。入れ歯作成の工程を説明します。少し専門的な部分もありますが、どのくらい手間がかかっているかわかっていただければ幸いです。
入れ歯に既製品はありません。すべてオーダーメイド、手作りです。
まず、患者さんのお口から型取りし、かみ合わせを決め、人工歯を並べます(と書くと随分簡単そうに思われるかもしれませんが、これがなかなか大変なのです)。
ここから技工士さんが入れ歯を仕上げるのですが、ワックスでできた入れ歯を金属製のフラスコの中に2回に分けて石膏で埋没し、石膏が固まったらワックスをお湯で流して除去し水冷後石膏に分離材を塗ってから乾燥させ、入れ歯のあのピンク色の合成樹脂を流し込んでからフラスコのふたを閉め、あふれた合成樹脂を除去後十分加圧、その後熱すぎないお湯の中でたっぷり時間をかけて重合させ、フラスコを開け形態修正・研磨、でひとまず入れ歯の形ができるのですが、なにぶんここまでいくつかのステップを踏んで入れ歯を作る中で少しずつ誤差が生じますので、お口の中に入れて最終調整したり、もう一度咬合器という顎の動きを再現できる器械につけて調整した上で(ここまで膨大な時間がかかる)、患者さんに入れてさしあげるのです。
金属製のつめもの、かぶせもの(冠)は、こうしてできる
次に、金属製のつめもの、かぶせもの(冠)の作り方を説明します。これも少し専門的な部分もありますが、どのくらい手間がかかっているかわかっていただければ幸いです。
これも既製品はありません。すべてオーダーメイド、手作りです。
まず、歯を削って型取りします。
次に石膏模型を作り、糸のこで分割し、咬合器(顎の動きを再現できる器械)につけ、ワックスで歯の形を作ります。
それを金属製のリングの中に石膏で埋没し、1時間後 固まってから、300℃の電気炉内に30分、次に700℃の電気炉に1時間入れます。
ワックスが溶けたらここに金属を加熱して溶かしたものを流し込みます(鋳造)。
十分に冷えたら、取り出して時間をかけて仕上げ、研磨、調整を行ないます。
このように、ひとつの冠やつめものを作るにはかなりの手間・時間・技術がかかっているのです。