矯正歯科治療にも有効な上唇小帯切除

2011OCT19術前舌癒着症原田幹夫 (3)s.jpg




















写真は上唇小帯切除前の私の口腔内写真である。

この程度なら通常は上唇小帯が高位にあるとは言わないであろうし、
切除術の対象にはならないだろう。

ただ、よく見るとセラミックス冠をセットしてまだ10年もたっていない上顎の前歯4本の
歯肉が退縮している。

もちろん歯肉の厚みひいては下にある歯槽骨の厚みが薄いのが
歯肉退縮の原因ではあるだろうが、緊張した上唇小帯が原因で
歯肉退縮した可能性も十分あると思う。

従ってこうしたケースでも小帯切除は あり と考えるようになった。

一般的に歯科口腔外科で行われる上唇小帯切除術と違って
私が耳鼻科で受けた手術は筋層まで深く、半導体レーザーで焼き切る。

開放創にするため術後3日たった時点では果物・お酢がしみるが
舌小帯を切ったところに比べれば痛みは全然少ない。

何と言ってもオペ直後から鼻道が広くなり酸素を よりたくさん吸えるようになったのは
良かった。

もし歯列異常の患者さんに矯正歯科治療をするなら、
事前に小帯切除、そして特に非抜歯で行なうなら歯肉退縮防止のため、
CTG, FGG を行なうことにより、より審美的な結果を得られるであろう。

ちなみに写真の中切歯はクラシックなプロセラ・オールセラミッククラウン、
側切歯はセラモメタルクラウンである。

シェードの違いもあるが、やはりオールセラミッククラウンのほうがキレイですね。







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